【放課後・・・】
キーンコーンカーンコーン・・・。
綾香 :う〜ん、今日の授業も終わり〜
さ、缶ジュースでも買ってこようっと。
早苗 :ほんと、平松さんってお嬢様っぽく無いよな。
綾香 :ん、どういう意味よ?
早苗 :だってさ、お嬢様ってさ、テラスで優雅に高級な紅茶でも
嗜んでそうなイメージがあるもんね。
織音 :ねー。
綾香 :な、何よ!うるさいわね!
早苗 :あはは〜、さてとそろそろ部活にいかなきゃ!
織音今日は?
織音 :今日は部活の日だよ。綾香さんも来るよね?
綾香 :はいはい。
早苗 :そう、じゃあね、また明日〜!
織音 :あ、そうだ、早苗ちゃんちょっと待って!
早苗 :ん?何?
織音 :今日の「郷土学研究部」ね、ひかる先輩が早苗ちゃんにも参加して欲しいって。
早苗 :はぁ?なんで私が?
綾香 :くす。一応、幽霊部員だしね。
早苗 :あれは勝手にひかる先輩が・・・!
織音 :まぁまぁ、とりあえず早苗ちゃんも陸上部あるし
何の用か、用件だけでも聞いてみようよ。
早苗 :やれやれ・・・。
それにしても、ひかる先輩の呼び出しってなんか
嫌な予感がするんだよなぁ・・・。
綾香 :そうね、きっとまた何か企んでいるに違いないわ・・・。
織音 :はは・・・。
■
【郷土学研究部 部室前】
織音 :あ、立花さんだ。部室の前。
綾香 :こんなところにつっ立ってどうしたの?
かおり:あー。あんた達か。
綾香 :もしかして、また私達にちょっかい出しに来たんじゃ・・・?
かおり:違うわよ、あの人に呼び出されたのよ。
色々悪い噂流したし、あの日以来、なんだか目付けられちゃったみたい。 早苗 :あの日?
織音 :スカートめくり魔事件の日のこと。
早苗 :ああ、その話ー。
綾香 :ふーん、それで部室に入るのためらってるんだ。
織音 :ひかる先輩はちょっと変わった人だけど
そんなに怖い人じゃないから大丈夫だよ、きっと。
早苗 :久々に織音の毒舌が・・・。
しかもなんか最後の方無責任だし・・・。
織音 :え?何?
私、なんか変なこと言ったかな?
綾香 :相変わらずわかっていないみたいね。
まぁ、いつまでもここにいても仕方ないし、入ろう。
がらっ。
早苗 :なんだ、部屋が真っ暗じゃん。
綾香 :相変わらず怪しい部室よね。
織音 :ひかる先輩〜?
声 :くすくすくすくす・・・。
一同 :うわぁ!
早苗 :こ、声が?!
かおり:くっ、負けるもんか!!
ひかる:くすくすくす、皆さん、占いの館へようこそ。
お待ちしてましたわ〜。
綾香 :やっぱりひかる先輩か・・・。
もう、脅かさないでよ。
っていうか、「占いの館」って何?
ひかる:何って、「郷土学研究部」略して「魔法倶楽部」
別名「占い倶楽部」の事ですよ。
織音 :なんか増えてるよー!
早苗 :あー、またこういう展開か。
かおり:なんか全然、部活動と関係無いわよね。
ひかる:くすくす。かおりさん、あなた何もわかって無いですね。
かおり:はぁ?
ひかる:この地域の歴史を知る「郷土学」と「占い」は切っても切れない関係ですよ。
人は古来より事あるごとに「占い」を行いそのお告げに従ってきました。
民俗学での伝説、伝承などの謎を解くのには
その「占い」をもっと知る必要があるのです。
織音 :うんうん。
綾香 :・・・こじつけじゃないの。
ひかる:というわけで、今日の部活動は「占い」です。
早苗 :ちょっと待った!
ひかる:はぁ。
早苗 :そっちの部活動は良いとして、私は何で呼ばれたの?
かおり:そうだ、私も!
ひかる:こういうのに興味があるかと思って呼んだだけですが。
かおり:そ、それだけ・・・?
綾香 :まぁ、私は嫌いじゃないわね。
早苗 :どうせまた、怪しい薬とか何だとかでしょ?
ひかる:はぁ、私はちょっと変わった人と言われますが
そんなに怖い事しませんから大丈夫ですよ、きっと。
織音 :びくっ!はぅ!
早苗 :織音・・・。
綾香 :あ、やっぱりさっきのあの会話、聞かれてたんだ。
ひかる:それはさておき、
今日は「天王寺くんの好きな人は誰か」を占おうかと思ったのですが
興味がないなら別に参加しなくても結構ですわ。
織音&綾香 :天王寺くんの好きな人?!
ひかる:はい〜、さぁさぁ、皆さん始めましょうか?
早苗 :う、うくっ・・!
ひかる:あら、まだいたのですか?陸上部に遅れますよ〜。
早苗 :・・・ひかる先輩って本当に意地悪いよね・・・。
織音 :ん・・・早苗ちゃん?
それって、どういう意味なのかな・・・?
かおり:私も、お、面白そうだから、さ、参加してあげるわ。
ひかる:くすくす。それでは始めましょうか。
かおり:そんなに沢山のコーヒーカップなんか用意してどうするの?
ひかる:まぁまぁ。見ていてくださいな。
まず、このコーヒーカップにカプチーノを淹れて・・・。
綾香 :カプチーノ???
織音 :あわあわだ。
ひかる:ほら、あれですよ。泡の部分に絵を描いたりするでしょ。
天王寺くんの好きな人の名前が一文字づつアルファベットで浮かんできて
教えてくれるんですよ。
かおり:それって、もしかしてエンジェルさんとかその類?!
ひかる:くすくす、似たようなものかもしれませんね。
綾香 :ねぇ、アルファベットってローマ字?
ひかる:はい、フルネームです。みなさん準備は良いですか?
綾香 :私だと「Hiramatsu Ayaka」って事ね。
早苗 :・・・。(えっと、私は「Hikami Sanae」。)
織音 :「Kagura Orine」・・・。
ひかる:さて、それでは何が出るかな何が出るかな〜♪
織音 :ドキドキ。
トクトクトク
じわ〜っ。
「A」
早苗 :・・・「A」?
綾香 :あっー!「A」だ!!「Ayaka」の「A」よ!!
ほら見てみて、よっしゃー!
「A」から始まる人は私だけよ!
ひかる:あ、言い忘れましたけど苗字と名前のアルファベットは順不同です。
私も「Hikaru」ですから「A」はありますよ〜。
織音 :あ、私も!
早苗 :ほっ、良かった。
織音 :え?早苗ちゃん・・・?
かおり:ふーん。(不覚にも私までドキドキしちゃうじゃない・・・)
ひかる:さぁ、次は2杯目ですよ〜。
綾香 :私の名前こい!カモ−ン!!
織音 :私だって負けないもん!!
早苗 :・・あ・・・ん。
かおり:どきどき。(もしかして・・・)
ひかる:くすくす。(早苗さん、無理しなくて良いのに・・・)
トクトクトク
じわ〜っ。
「K」
綾香 :「K」だ!!「Ayaka」の「K」よ!!
織音 :あ、私も「K」あるよ
ひかる:くすくす、全員該当しますね〜。
綾香 :チッ!!
ひかる:3杯目〜。
トクトクトク
じわ〜っ。
「I」
綾香 :「I」だ!!「Hiramatsu」の「I」よ!!
織音 :あ、私も「I」あるよ
ひかる:くすくす、これも全員該当しますね〜。
綾香 :くそっ!!
早苗 :・・・。(「Hikami」の「I」)
かおり:どきどき。(も、もしかして・・・嫌ね!私ったら!)
ひかる:4杯目〜。
トクトクトク
じわ〜っ。
「R」
綾香 :やった「R」!!「Hiramatsu」の「R」よ!!
織音 :あ、私も「R」あるよ
綾香 :くっ!!
早苗 :あー、どうせ、そんなこったろうと思ったよ・・・。ボソ。
織音 :え? さ、早苗ちゃん、もしかして・・・?
かおり:どきどき。(また当たった!)
ひかる:それでは、5杯目〜。
トクトクトク
じわ〜っ。
「T」
綾香 :やった「T」!!「Hiramatsu」の「T」だわ!!
織音 :あっ、そ、そんなっ!!
早苗 :織音・・・。
織音 :あう〜、早苗ちゃーん。
綾香 :ふっ。残念だったわね!!
やだ、ちょっと、この占い当たってるんじゃない?
かおり:どきどき。(ちょっちょっと待って!こ、心の準備がっ!)
ひかる:くすくす。←この人もまだあります。
ひかる:6杯目です〜。だんだんと人が減ってきましたね〜。
トクトクトク
じわ〜っ。
綾香:こい〜こい〜!!
かおり:どきどき・・・。
「W」
織音:あぅ。
早苗:「W」?
綾香:平松綾香、「Hiramatsu Ayaka」、ひらまつあやか!
あれ??あれれ?
かおり:あっ。(ふぅ、少し期待した私がバカだったわ・・・。)
ひかる:くすくす。まぁ、嫌だわそんな!
生き残ったのは私だけですね!
綾香 :くっ、さ、最後までやってみないとわからないじゃない!
どこか別の誰かかもしれないわ!
早苗 :お、おい!それはそれで困る、っていうか!
織音 :さ、早苗ちゃん・・・。
ひかる:そうですか〜。
それでは10カップ分位でいいかな?
一気に淹れちゃいましょうか。
トクトクトク〜。
「TORIIGAWA HIKARU」
綾香 :こ、これって・・・?
ひかる:まぁ!揃っちゃいましたか。
薄々そうではないかと思っていましたが。
そうかぁ、天王寺くんはお姉さん的存在に弱いのかなぁ〜?
かおり:「かなぁ〜?」って何、急にぶりっ子になってるんですか??
綾香 :そうよ、ちょっと何なのよ!この展開は!
このインチキ占い師め!
ひかる:綾香さん、さっき、当たってるんじゃないって言ってませんでしたっけ?
それにしても、まぁ、当たるも八卦当たらぬも八卦と言いますしね。
きゃ〜。
綾香 :うーなんか気分最悪〜。帰ろ。
早苗 :はぁ、私も部活行くよ・・・。
織音 :あうぅ、私も・・・。
かおり:別に外れたからってムキになるわけじゃないけど!
絶対なんかトリックがあるに違いないわ!絶対暴いてやるから!
織音 :じー。立花さん・・・。
かおり:と、とにかく帰るわ!
ひかる:はぁ、そうですか。それでは、また明日〜。
■
【2-A教室前】
かおり:(それにしても、あんなにドキドキしたの久しぶりかも。
たまには良いかもね、ああいう部活も。)
克巳 :かおりちゃーん!
かおり:あ、嫌な奴に会った。
克巳 :今日、これから暇?
かおり:暇じゃない!
克巳 :美味しいケーキと珈琲のお店があるんだよ。
かおり:・・・コーヒー?
そんなの見たくも無い、飲みたくも無い!
克巳 :なぁなぁ、ちょっと待ってよ。その店って面白いんだぜ。
ほら、カプチーノの泡に絵を描くの。
なんか凄く凝った絵柄とかもあってさ。
知ってる?あれって「デザインカプチーノ」って言うんだぜ。
かおり:知ってるわよ。それくらい!
克巳 :それとホラ、なんて言ったっけかな。
カップにコーヒーを流し込む途中で模様を作る高度なテクニックもあるとか。
かおり:・・・カップにコーヒーを流し込む途中?
克巳 :そうだ、思い出した、「ラテアート」!
プロにしかできない特技って奴?凄いよな。
かおり:まさかとは思うけど、あの時、一瞬で?
いや、まさか。
かおり:ちょっとそのお店興味がわいて来たわ。
克巳 :本当?!じゃあ、行こう行こう!
かおり:そうねぇ。
克巳 :やった!
かおり:そんなところに隠れてないで、ね、あんた達も行くでしょ?
綾香 :ふっ、当然よ!!
織音 :うん!
早苗 :当然、克巳のオゴリな。
克巳 :はぁ?おい!ちょっと待て! お前らいつの間に!!
■
【その某お店】
ひかる:いらっしゃいませ〜。
あら?皆さんお揃いで。
ご注文は?
あ、もしかして私の「ラテアート」目当てですかぁ?
くすくすくす。
綾香 :あのさぁ、ここってさ、「ドモン・テ・フィア」じゃない・・・。
かおり:うーんやっぱりか。
というか、ここまで開き直られると怒る気も失せるわ。
織音 :やっぱりあれインチキだったんだ・・・。良かったぁ。
早苗 :・・・はぁ、やれやれ。
克巳 :はぁ???何の話???
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